便秘とカイロプラクティック
当院にご来院の方々には、便秘で悩んでいらっしゃる方が、結構多くお見受けいたします。とは申しましても、初めから「便秘を治して下さい。」と、言ってご来院の方は少なく、 ほとんどの方は腰痛や肩こりの治療でご来院いただき、骨盤や背骨などを調整していくうちに、いつの間にか便秘も改善していることが多いようです。
■便秘と背骨のゆがみ
実は、便秘の方の骨盤や背骨のゆがみには、特徴的な事柄がございます。この歪みを正すことで、便秘はかなり改善されてしまいます。 また、この歪みは、当然のことながら腰痛や肩こりの原因であるわけですから、患者様はその腰痛や肩こりを治してもらいたくて当院にご来院されているわけです。
当方は、患者様の主訴である腰痛や肩こりなどを治さて頂く為に、お身体のバランスを丁寧に整えさせて頂く訳ですが、患者様も特に便秘については何もお話になっていなくとも、主訴が改善してきますとそれと共に便秘も変化してくるものです。
(実際には、お身体を診させて頂いた時点で、先ほど申し上げた特徴的な歪みがございましたら、便秘症を予想していることがございます)
■便秘と自律神経
便秘には、と申しますよりは、腸の動きには、とても重要な神経がございます。それは自律神経の一つである「副交感神経」です。
自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」があるのですが、交感神経が活発に働くと血圧は上昇し、心拍数も上がり、体温も高くなってきます。つまり、「さあ、これから働くぞ!」と、いったような戦闘モードに入る活動時や、ストレスを感じた時に活発になるのが交感神経です。
逆に、ゆったりとリラックスして、そろそろ眠たくなってきたなといった時に、副交感神経が優位になってきます。副交感神経が活発になると、血圧や体温、心拍数等が下がると同時に、腸が動き始めます。
■便秘にはリラックスと規則正しい生活も重要・・・
副交感神経が活発になるように、いつもストレスなくリラックスしてゆったりと生活していれば、便秘は解消するのです・・・と、言うのは簡単ですが、今の世の中、実際はそんなに簡単な話じゃありませんよね。でも、そう云うものなのだという事は、頭に入れておいて下さい。
それに、何時ものんびりしていましたら仕事になりませんから、活発に行動する時(例えば9時から19時までとか)は、交感神経優位で、後はスイッチを切り替えて、副交感神経優位でゆったりと朝まで過ごすようにリズムをつければ、毎朝すっきりと便通があるはずです。
■腸の動きに対するカイロプラクティックの働き
自律神経は、首から骨盤までの背骨につらつらと並んでくっついていまして、それぞれの仕事(身体の機能のコントロール)をしています。ですから、背骨が歪んでいますと、そこにくっついている自律神経もストレスを受けて十分に機能しなくなってしまうのです。
先に書きましたように、しつこい便秘の方は、骨盤や背骨に特徴的な歪みが有ります。それが副交感神経の働きを鈍くしていることが多いのです。
それらをしっかりと矯正することによって、自律神経の働きを正常にしてゆき、副交感神経もしっかりと働けるようにして便秘を解消させてゆくのです。
また、姿勢が良くなってきますと血流も良くなります。 腸にも十分に血液が行くようになりますから、腸の動きが良くなってくるという効果もあります。
特殊な例ですが、私の親族で、腸閉塞で入院されている方の施術を頼まれた事がありました。
高齢で、手術をするにもリスクがあるとのことで依頼があったのですが、親族ということで半ばダメもとで引き受けたわけです。 病院には内緒で、手術予定日までの三日間、病室に通い、背骨や骨盤の調整をしてみましたところ、見事に出てしまいました。担当のお医者さんも狐につままれたご様子だったそうですが、手術もする必要がなくなり本当に良かったです。
いつもこのようにうまくいくとは限りませんが、カイロプラクティックには無限の可能性が秘められているのです。